「清水山」は大船山の南山麓にあり標高は1077メートル。
人がほとんど登らない「かくれ山」です。
午前の仕事を終え、午後から登りました。
下からもよく見え、なだらかで、しかも高くもないので下調べもせずに登りました。
登山口はすぐ判り、林道をどんどん進むも、山の取り付き口を見つけることが出来ず、ついに林道の突き当りに達してしまいました。
それで引き返すと、直に右側に取り付き口らしいテープが見つかり、その道に入って行きました。500メートルほど進むも、テープも道も消えてしまいました。
仕方なく、また林道に戻り、もと来た道を引き返していると、またまたテープが見つかりました。この道が頂上に続く本当の登山道でした。
ここの登山道は踏み跡がほとんどありません。道しるべのテープだけが頼りですが、そのテープが古く色あせていて非常に見づらい。
頂上に近づくにつれて雨が激しくなり、夕方のように暗くなってきました。しかも雨がメガネのレンズに付着し、かつレンズが体温で曇るので、目印のテープを見つけることがさらに困難になってきました。何度も引き返そうと思いましたが、頂上まであと僅かと思い上を目指しました。やっと頂上らしき場所に着き写真を撮り、急いで下山することにしました。
ところが、増々、雨が激しく、辺りはさらに薄暗くなり、テープを見つけることが一層困難になって、ついに道に迷ってしまいました。この山の登山道は踏み跡がほとんどなく、しかも岩が多いため直角に曲がり、さらに上がったり下がったりで、ついには山を下りているのか登っているのかも判らなくなってしまいました。
仕方なく、少しでも明るいうちに知り合い達に、「山で一晩過ごすが明日の朝には帰るので捜索隊は出さないように」とのメールを出そうと、その場に座り込みました。心細かったのですが、食料と水と防寒着は十分に備えていたので、命の心配まではしませんでした。
しかし、ここで「大岡昇平」の戦争小説、『野火』だったか、『俘虜記』だったか、の中に「軍人や兵隊は道に迷った場合、迷った地点に戻り、そこに棒を立て、それを中心にして円を描いて道しるべを探すべし」と書かれてあったのを思い出しました。実際、円状に歩いてみたところ思いもかけない地点でテープを見つけることができました。
その後も、何度も視界不良のため道に迷いましたが、何とか広い林道に出ることができました。
ホッとしました。
(反省と教訓)
低い山でもナメテはいけない。
食料、水、防寒着は十分に用意すること。
携帯は2台持っておくと心強い。(今回は携帯とアイパッドを所持していた)
悪天候の時は無理をするからず。
午後から登る時は登山経験のない山に行くべからず。
引き返す勇気を持つこと。
写真は「清水山」の頂上と思って撮った場所。実際は頂上ではなかったみたい。(久住山の仙人)
