
俗事に煩され、最近,本を読むことがなかった。
久し振りに「山本兼一」の本、『花鳥の夢』を手にした。
山元兼一、この作家は職人を書かせたら日本史上最高の人だろう。
鷹匠や宮大工などを取り上げた作品を今までに読んだが
精緻で確かな観察力と表現・描写力
何よりも、よくもここまで調べ上げたものだと
その能力と努力に感心する。
『花鳥の夢』は「狩野永徳」を主人公にしたもの。
まだ半分も読んでいないが
狩野派はライバル関係にある土佐派と婚姻関係を結び
画家に必須な絵の才能に関するDNAを特科的に高めたこと
また、描く画はそのつど写生するのではなく
主として代々、狩野家に伝わるお手本(粉画?)を参考にして描くことなど
興味ある事実を知った。
残念なことに山本兼一は一昨年に亡くなられた。(久住山の仙人)