生家の庭の片隅には昔、樹齢500年とも言われる杉の巨木があった。
60年ほど前、その木に雷が落ち、切り倒された。
以来、家にはシンボル・ツリーに相応しい木はない。
それで昨日、シンボル・ツリーにすべく木を植えた。
シダレザクラを。
今、園芸店で売られているシダレザクラは、ほとんどが紅シダレという種類。
巨木にならず、シダレ性が強く、花は大きく鮮やかな紅色。
一方、私が今回植えたのは、昔からあるイト(糸)ザクラと言われるもの。
巨木になり、幼木のうちはシダレ性が弱く、花は小さく白い。
昔、京都の平安貴族(特に九条家)が愛でたサクラも、これである。
何故だか、竹田市の宮城、城原、白丹地区と熊本県の一部の山間地域には
このイトザクラが今も多く残る。
我が家にも、30年ほど前まで樹齢300年ほどのイトザクラがあった。
宮城地区に残る、名桜と言われるイトサクラを3年前に、
ヤマザクラに接ぎ木し、昨日、これを庭に移植した。
20年もすれば、小さく白い花を付けるようになるであろう。
花を付けるのと、私の命が尽きるのとどちらが先か?

(久住山の仙人)
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