竹田の街の中心部、高台に旧海軍省が建立した広瀬神社はある。御祭神は日露戦争の英雄、「軍神 広瀬中佐」だ。この社は我が家と昔から縁があり、そのため私も神主として平成元年から10年間ほどご奉仕した。
広瀬中佐の作に「家兄に寄せて志をいう」という漢詩があり、その中で中佐は「勤王の大義は はなはだ文明」と詠っている。socialist を自認する私としては、いくら私が関係する神社の御祭神のお言葉といっても、はなはだ承服し難いものではあるが、ここは中佐の心の純粋さの表れと受け止め良しとしよう。
私には「勤王思想」などさらさらないが、田舎に暮らし、還暦を過ぎ、年老いた親を持つと、敬老の思いが沸々と心に湧き上がってくる。今まで私を可愛がってくれた人たちが、だんだん年を取り弱っていくのを見ると、何かしてあげたいという気持ちが強く湧いてくる。90歳を過ぎた私の親に対しても勿論然りである。(久住山の仙人)
写真は広瀬中佐の辞世の詩。

PR