「軍神広瀬中佐」を御祭神とする「廣瀬神社」は竹田市街地の奥まった処に鎮座する。
旧日本海軍関係者、とりわけ広瀬中佐の出身校である海軍兵学校の卒業生に、
その崇敬者は多い。言わば海軍兵学校の神社とも言える。
その境内に、これも竹田市出身の軍人、「阿南陸軍大将」の碑文がある。
その碑文を記したのは岸信介元総理。
何故、広瀬神社に岸元総理による碑文があるのか?よく聞かれる。
実は、岸総理には佐藤一郎という海軍中将の兄がいる。
そして岸元総理の口癖は「日本で俺より頭の良い男は兄の一朗だけだ」だったそうだ。
事実、佐藤一郎海軍中将は当時、陸軍士官学校とともに
日本の最難関校と言われた海軍兵学校を首席で卒業した人。
「日本一の秀才」として後々まで評判の頭脳だったそうだ。
彼には、東大を一番で卒業した岸元総理も一目置いていたようだ。
ちなみに岸・佐藤兄弟の末弟は佐藤栄作元総理。
この三兄弟は、よく「頭は上から、度胸は下から」と称される。
しかし頭が一番悪いと言われた佐藤栄作元首相も東大を7番で卒業したとのこと。
広瀬神社に岸元総理の碑文があるのは、彼が自分より頭が良いと認めた唯一の男、
佐藤一郎海軍中将と、彼の母校の最難関校であった海軍兵学校への
畏敬の念によるものからである。(久住山の仙人)

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