猟師をしている知人に久し振りに会った。「何をしていた?」という私の問いに「大変なことになっていた」との返事。彼の言う大変なこととは「仕掛けていたイノシシ罠にイノシシがかかっていた。槍で仕留めようとしたら誤って自分の太腿を刺してしまった。かなりの重傷で一月間入院していた」との返事。
「それは大変なことだったね」と言うと「ワシの友達はもっと大変だった」と言う。
彼の言う、友達のもっと大変なこととは:
「友人の猟師がイノシシ猟をしていたらイノシシに逆襲された。地面に押し倒されアッというまに全身を7か所も噛まれた。いずれも大きく深い噛み傷。このままでは殺されると思いイノシシの背中に抱きついてイノシシの首に腕をまわし、仲間の猟師の助けを待とうとした。後ろから猟師に抱きつかれたイノシシは首を回して猟師の顔を噛もうとする。そのため猟師は顔を噛まれないようにイノシシの耳の根元に噛みつきイノシシの頭の動きを封じた。間もなく仲間の猟師が駆けつけてイノシシを仕留めた。猟師は7か所の傷の他に、猪に噛みついたため上下の前歯8本が折れたり抜けたりした。しかし猟師は残った4本の犬歯で最後までイノシシに噛みついて離さなかった。彼の命が助かったのは丈夫な犬歯4本を持っていたため。」とのこと。
しかし何とも凄まじい話である。
写真はイノシシの牙。下から下顎の犬歯、上顎の犬歯、切歯4本。
下顎の犬歯の長さ10センチくらい。
恐れるべきは上下4本の犬歯。剪定ばさみのような構造で人の指の骨くらいは噛み切ることが出来る。
それにしても寒い。今朝の最低気温マイナス7度。「牧ノ戸峠」はマイナス14度とのこと。
私は凍結したツルツルの道路で転び、右大腿部を痛めてしまった。只今、歩行困難。
(久住山の仙人)